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光野多惠子さん

略歴


光野多惠子 みつの・たえこ
1953年生まれ。津田塾大学英文科卒。舞台の制作と国際交流に15年間たずさわったのち、集中的に翻訳学校にかよって翻訳を勉強した。版権エージェンシーのリーダーやメディカル翻訳をへて、文芸翻訳家に。この数年、翻訳学校の講師として後進の指導に専念していたが、『最後の宝』で出版翻訳界に復帰。今後は、じっくりと文芸翻訳にとりくんでいきたいと考えている。これまでの訳書は、児童書やヤングアダルトを中心に、歴史小説も。どちらかというと、重厚な作品がむいているように思うが、本人は「名犬?エリック」のような明るくてかわいい作品も大好き。

ホームページ 「t-mitsunoのページ」 http://www7a.biglobe.ne.jp/~tmitsuno/
ブログ 「t-mitsuno's blog」 http://mitsuno.air-nifty.com/tmitsuno/


訳書一覧
(2010年03月現在)


恐竜大行進
きょうりゅうだいこうしん
キャシー・E・ダボウスキー作
金の星社
1994/08初版
ISBN 4-323-01869-X
本体1300円
We're Back
Cathy East Dubowsky
1993
※特製コーンフレークを食べて、言葉が話せるようになった4匹の恐竜が、現代のニューヨークにやってきた。「ほんものの恐竜に会いたい」という、子どもたちの夢をかなえるためだ。ところが、悪事をたくらむ博士があらわれて……。スピルバーグ制作の人気アニメを絵本にしたもの。

はるか昔の恋 アボンリーへの道15
はるかむかしのこい あぼんりーへのみち15
ルーシー・M・モンゴメリ原作 H・コンキー文
金の星社
1995/3初版
ISBN 4-323-02165-8
本体971円
Old Quarrels, Old Love(Road to Avonlea)
Heather Conkie
※へティおばさんの昔のボーイフレンドが、村にもどってきた。突然の再会にすなおになれなかったへティも、やがて彼のやさしさに心を開いていく。人々は、二人が結婚するにちがいないと噂するが……。こっけいでちょっぴり悲しい恋の物語。

サンベリーナ―おやゆび姫
さんべりーなー ― おやゆびひめ
ハンス・クリスチャン・アンデルセン原作 ジュスティーヌ・コーマン文 ドン・ブルースほか絵
金の星社
1995/6初版
ISBN 4-323-01875-4
本体1359円
Hans Christian Andersen's Thumbelina
Justine Korman
※サンベリーナは歌が得意。美しい声で「いつか、きっと夢がかなう」と歌うと、絵本で見た妖精の王子さまが目の前に。ところが、その晩、サンベリーナはヒキガエルに誘拐されてしまう。おなじみの「おやゆび姫」をベースに、ドン・ブルースが監督・制作したアニメを読み物にしたもの。

名犬?エリックのおかしな冒険
めいけん?えりっくのおかしなぼうけん
アンドリュー・ノリス作 岩淵慶造絵
金の星社(新・文学の扉)
1995/8初版
ISBN 4-323-01747-2
本体1300円
Woof! The Tail Gets Longer
Andrew Norriss
※エリックはごくふつうの小学生だが、ちょっと変わった秘密をもっている。ときどき犬に変身してしまうのだ。そのことを知った親友のロイは、有名人になりたいばっかりにとんでもない計画を。二人がまきおこす騒動をユーモラスに描いた友情物語。アラン・アルバーグ原作のテレビ番組を読み物にしたもの。

コゼット 上・下
こぜっと じょうげ
ローラ・カルパキアン作
三天書房
1996/12初版
ISBN 4-88346-010-X(上)
ISBN 4-88346-011-8(下)
本体1456円(上・下巻とも)
Cosette
Laura Kalpakian
※19世紀なかば、男爵夫人として華麗な人生を歩みはじめたコゼットは、夫マリユスの社会改革の闘いにまきこまれていく。二月革命、第二帝政といった激動の時代を背景に、コゼットとその子どもたちの行き方を描いた長編歴史小説。「レ・ミゼラブル」の続編として書かれた。

名犬?エリックのゆかいな冒険
めいけん?えりっくのゆかいなぼうけん
アンドリュー・ノリス作 岩淵慶造絵
金の星社(新・文学の扉)
1997/5初版
ISBN 4-323-01751-0
本体1300円
Woof! The Tail Wags On
Andrew Norriss
※名犬?エリック・シリーズの第2弾。外国に引っ越したロイにかわって、転校生がやってきた。自転車に乗るのが得意な少女レイチェルとエリックの、おかしな冒険がはじまる。仲よくなるにつれ、いつも元気なレイチェルにも悩みがあることがわかって……。

真夏の夜の夢(Newton CLASSICS Illustrated)
まなつのよのゆめ
ウィリアム・シェイクスピア作 アレックス・ブラム絵 山田直道監修
ニュートンプレス
1997/8初版
ISBN 4-315-51406-3
本体1200円
Classics Illustrated: A Midsummer Night's Dream
William Shakespeare, Bruce Glassco(ed.), Alex Blum(ill.)
※楽しく手軽に古典に親しむことを目的としたClassics Illustrated版におさめられたシェイクスピアの名作。

ジョー アンド ミー――釣りと友情の日々
じょー あんど みー ――つりとゆうじょうのひび
ジェームズ・プロセック作
青山出版社
1998/7初版
ISBN 4-900845-74-4
本体1700円
Joe and Me: An Education in Fishing and Friendship
James Prosek
※釣りが大好きなジェームズ少年は密漁をしていて、森林監視員のジョーにつかまってしまう。だが、やがて二人のあいだには、年齢をこえた友情がめばえて……。コネチカットの豊かな自然を背景に語りすすめられる、みずみずしいエッセー。

スコット・フィッツジェラルド作品集 わが失われし街
すこっと・ふぃっつじぇらるどさくひんしゅう わがうしなわれしまち
スコット・フィッツジェラルド作 中田耕治編訳
響文社
2003/12初版
ISBN 4-87799-019-4
本体2800円
さまざまな短編集より
F.Scott Fitzgerald
※恩師の編になるスコット・フィッツジェラルド作品集。光野の担当部分は「旅立ち」の訳と「訳者あとがき=フィッツジェラルドと村上春樹をめぐって」。

最後の宝
さいごのたから
ジャネット・S・アンダーソン作
早川書房(ハリネズミの本箱)
2005/6初版
ISBN 4-15-250033-6
本体1800円
The Last Treasure
Janet S. Anderson
※主人公エルズワースは13歳の誕生日に、会ったこともない親戚から手紙を受けとった。「先祖の宝をさがしにきてほしい」というのだ。父親の反対をおしきって旅立った先には、かたく扉をとざされた宝の家が。宝さがしにのりだしたエルズワースの前に、一族の秘密がつぎつぎにあきらかにされていく。やまねこ大賞受賞、産経児童出版文化賞「推薦」受賞作品。

クリスマスの幽霊
くりすますのゆうれい
ロバート・ウェストール作 ジョン・ロレンス絵 坂崎麻子共訳
徳間書店(ウェストール・コレクション)
2005/9初版
ISBN 4-19-862073-3
本体1200円
The Christmas Ghost
Robert Westall
※父さんが働く工場には、事故が起きる前に幽霊が現われるといううわさがあった。クリスマス・イブに、父さんに弁当を届けに行ったぼくが見たものは……。物語部分は坂崎麻子訳。光野が訳した、作者の少年時代の回想記が併録されている。

われらがアウルズ
われらがあうるず
ロバート・B・パーカー
早川書房
2008/11初版
ISBN 978-4-15-208975-5
本体1700円
Edenville Owls
Robert B.Parker
2007
※バスケットをやりたい14歳の少年たちがチームを結成する。たった5人しかいないチームの名前は「アウルズ」。「アウルズ」の仲間はいつも一緒につるんでいた。ある日、美人の先生が赴任してきて……。1940年代の少年たちを描いたノスタルジックなYA作品。

ベルおばさんが消えた朝
べるおばさんがきえたあさ
ルース・ホワイト
徳間書店
2009/03初版
ISBN 978-4-19-862710-2
本体1500円
Belle Prater's Boy
Ruth White
1996
※12歳のいとこ同士のふたりの物語。彼らの家族の秘密がほぐれていく様を丁寧に描き出す――。50年代アメリカを舞台に、現代の作家が描いたニューベリーオナー作品。

勇気の季節
ゆうきのきせつ
ロバート・B・パーカー
ハヤカワ書房
2010/03初版
ISBN 978-4-15-209115-4 本体1900円
The Boxer and the Spy
Robert B. Parker
2008
※ボクシングで強くなりたいと日々トレーニングしている少年が、同級生の死に疑問を抱き……。『われらがアウルズ』に続く、パーカーのYA作品第二弾。

ご本人からのおすすめの1冊


『最後の宝』表紙最後の宝
さいごのたから
ジャネット・S・アンダーソン作
早川書房(ハリネズミの本箱)
2005/6初版
ISBN 4-15-250033-6
本体1800円
The Last Treasure
Janet S. Anderson

※主人公エルズワースは13歳の誕生日に、会ったこともない親戚から手紙を受けとった。「先祖の宝をさがしにきてほしい」というのだ。父親の反対をおしきって旅立った先には、かたく扉をとざされた宝の家が。宝さがしにのりだしたエルズワースの前に、一族の秘密がつぎつぎにあきらかにされていく。第8回やまねこ賞大賞受賞、第53回産経児童出版文化賞「推薦」受賞作品。

★宝さがしの冒険物語と、主人公の一族の過去にまつわる物語が平行して語られ、ページをめくる手が止められなくなるくらいひっぱります。悲しいエピソードも多いなかで、主人公の中学生二人のやりとりが楽しい。二人は親戚同士で、双子の姉弟といっていいほど姿はそっくりだが、性格は正反対。けんかばかりしながらも、しだいに結束をかためていきます。

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